くろのたいき

2021年9月30日

自由とは何か?

educare運動教室では、毎月「運動教室だより」を保護者の方に配布しています。今日はそのおたよりから一つコラムをご紹介します。教室の方向性を示していますので、この機会に皆様と共有したいと思っています。

運動教室だより vol9 「自由とは何か?」より

 

 先日、運動教室を体験された保護者の方から「自由な感じの教室ですね」とご感想を頂きました。確かに、レッスン中の様子は時々「教室として成り立っているのか?」というぐらい子どもたちが自由に振舞っている場面があります。ママから離れたくない子や、ボールしかやらないと決めてくる子、順番並びで揉めたりするなど日常茶飯事です。僕はその姿を見て何を思っているかというと、「いいねえー!!」と心の中で思っています。実際に「いいねー」とは言いませんが(笑)

 なぜなら「自由がないと子どもたちの主体性は育たない」と僕は思っています。子ども達の行動や言動を規制して、いかにも教室っぽくするのは簡単です。並び方も、完全にこちらが順番を決めてしまえば小さいトラブルはなくなります。正直言うと、厳しく指導してこちらの言う事を聞かせる事は簡単です。

 厳しくするとどうなるか?子どもたちは自分で考える事をやめます。言われた事をします。それに合わない子は辞めていきます。結果「強い選手が現れる可能性が高くなります」。つよいクラブを求めて強い子どもたちが集まってきます。「毎年強いチーム」これも立派なチーム運営の一つです。

 強い子を集めて、強い選手を育成する。それは僕がしたい指導ではありません。どんな子どもでも、自分の手で強くなって欲しいと思っています。「自分で強くなると選択する」からこそ主体性が育まれていきます。それはそんな簡単な事ではありません。子どもによっては時間がかかる場合もあります。1年や2年通って徐々に変わっていくお子様もいます。集団の中で刺激受けるパターンもあれば、指導者からの言葉掛けにより変化する場合もあります。僕としては、毎回子どもたちがどんな選択をするのか?どのような態度でレッスンに臨むかというのを楽しみに、そしてハラハラしながら指導を行っています。

 自由な雰囲気で練習するのは難しいのです。子どもたちの様子を見ながら、毎回レッスンとして成立させる為に、自分の中で色々なパターンを用意して臨んでいます。自由を担保する為にあえて再現性の低いレッスン展開をしています。

 では、自由にさせれば子どもたちは強くなるのか?というとそうでもないと思っています。なぜならほとんどの事は「反復練習」が必要となります。最初から反復練習を好む子はほとんどいません。だからこそ、自由な雰囲気の中で「反復練習」を子どもたちが自ら選ぶ事が必要となっています。反復練習に取り組む為の声掛けや気を付けている事などについてはまたの機会にお話し出来ればと思います。

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